2013年6月29日土曜日

心をこめた作品の嫁ぎ先

年度末、学期末になると、ここシンガポールでは異動の嵐となるため、「別離」というたくさんのドラマが生まれます。

今回6月のインター校の年度末にも、我が家にとって悲しい別れが待っていました。

(1)息子が愛して(!?)やまない担任教師。 別れといっても先生は東部のキャンパスに異動になっただけなのですが、もう8月からは会えない・教えてもらえない・・・と息子にとっては一大事。前々回にも取り上げましたが、先生の大好きな「お寿司」をクイリングで制作・額装し、最終日にお渡ししました。
Quilled SUSHI
これが全貌です。卵焼きには消しゴムはんこで先生の名前を焼印しました。
Q.包みを開けた先生、最初にどこに反応したでしょうか??
A.下段お箸をのせた小皿の模様に、先生の大好きなアイスホッケーチームのロゴをしのばせておいたのですが、そこ!に反応。「え~!!どうして知ってるの??うわぁ~」・・・先生、小学生状態。クイリング職人ガックリ来るも、小ネタに反応してもらえて内心嬉し。その後先生にネタ当てをしてもらったのですが、さすが鮨フリーク!全問正解でありました。皆様はおわかりですか?


(2)もうお一方、学校の音楽の先生。こちらもお別れではなく、ただ今年の担当が満了しただけなのですが、若くて美人のこの先生が大好きなラテン系のわが息子、先生の大好きなウクレレをモチーフに何か作って欲しい、僕はト音記号や音符を自分でクイリングで作るから・・・と懇願されました。先生、突然のプレゼントにさぞ驚かれたでしょう、ごめんなさい。でも息子は心からまた来年度も貴方の音楽の授業を受けたいと思っています。彼の心が天に通じますように!
 
(3)シンガポールでそれはそれは一生懸命頑張って、途中でたくさん辛い思いをしたTちゃんが急に帰国することに。辛さをおくびにも出さず頑張っていた彼女に、急な思いつきで小さな作品をお渡ししました。彼女は去年の作品展以来、私の「Quilled Socks」という作品のファンになってくれたので、そのソックスと愛息くんのスクールユニフォーム、それらを見上げる彼女の愛犬、というモチーフを全て押し込めたデザインにしました。愛犬は検査の為、家族と数ヶ月間離れ離れになってしまう為、彼女は作品を手にした瞬間涙がこぼれてしまったそうです(友人に依頼して手渡ししてもらった)。早くまた一緒に住めるといいですね。

(4)息子の所属するボーイスカウトの仲間2家族も今回ご帰国。私もリーダー仲間としてそのお母様方には本当にお世話になったので、息子くん達のカブスカウト・ボーイスカウト姿の立体作品と、リーダー姿のお母様の立体作品を計4体作成。活動を通して息子君たちとは一緒に過ごす時間が長かったため、性格がよく判るのが功を奏し、作品の表情が豊かになりました。もちろん彼ら個々人の好みでつけるチーフリングの形や帽子の傾け方等、こだわりの部分はそのまま表現しました。
みんな国はバラバラになってもいつかまたスカウト活動を通じて会えますように。 

私は作品を作る上で、いつも「遊び」と「こだわり」を同居させます。徹底的にこだわって細部にわたって緻密に作り込む一方、どこかに遊びの部分や、トリック・宝探し的な要素も取り入れる・・・そして作品をプレゼントする時は相手の喜ぶ顔を想像し、職人はそのこだわりと遊びをしのばせてニヤニヤしながら、でも、心をこめて作業致します。・・・キモチ悪い??

お気づきの通り、こんなに作ったのに急いでお渡ししてしまったので写真が全然残っておりません(泣)。中には一晩で仕上げたものもあったので仕方ないか…なんか地味な投稿になってしまいましたね、悪しからずお許しを‼