2018年8月11日土曜日

FEDERICO URIBE アート展

コロンビアの偉大なアーティスト、フェデリコ・ウリベ氏のアート展「再構築、出現」最終日に足を運んで来ました。あまりの暑さにここ数日間自主的かつ計画的な引きこもりを決め込んでいた私、久々にガツンとやられました笑!!!!

身近なオブジェクトを観察し、イメージを膨らませ、組み合わせて、彼独自のユニークな世界が展開されていました。


入ってすぐの作品。インパクト大。
タイトルは「吊るされた男」...まんま笑!!
材料は色鉛筆。靴の直線的な使い方が印象的でした。







こちらも色鉛筆を使っての作品。
何層にも重ねて紡ぎ出された複雑な色合い。

消しゴム付き鉛筆の金属の輝きを黄金色の葉に見立てて。








印象的な三部作。
一つの作品の大きさは直径1mほど。ものすごい存在感。






それぞれのアップ写真。
大量の色鉛筆からなる抽象的なデザイン。
色の使い方、気の遠くなるような細かい作業にため息が出ます。
このスパイラルの赤作品。
赤だけで一体何色使われていたことか!
私の心を鷲掴みにされた作品でした。
I












セルフポートレイト?
色の使い方、背景の鉛筆の使い方(組み方)
にうっとり。彼の画力の確かさがうかがえます。
こちらも色鉛筆作品。
直線的な色鉛筆を、しかも割と長いまま使っているのに
動物の曲線を見事に表現、脚の爪にまで細かな配慮が。





 ここからは、銃弾を使った作品。作品がなかなか通関を通過できなかった、というのは有名な話。
内戦が長く続いたコロンビア出身のアーティストならでは?の
着眼点なのでしょうか。

このシマウマ、遠くからでも惹きつけられます。
ものすごい迫力でした。
虎の頭には穴が空いていて、中には鏡が仕込んであります。
覗き込んだ自分の間抜けヅラと迫力ある猛獣とのコントラストに吹き出してしまいました。








ビーバー。
特徴ある前歯が可愛い。
しどけない姿のアライグマ笑
腕組んでる〜
抱っこ〜とせがまれているような子パンダ。

どれも愛らしくて銃弾から出来ていることを忘れそう。









こちらはコインを使った作品。
光沢のあるコインや青錆のついたコインを
渦巻き状にしたり、貼る向きに変化をつけることで、
平面で無機質なコインを、見事南国の風景に変えてしまいました!
釘だって立派なアート材料。
パンク兄さんのトサカ頭表現にこれ以上の素材ってある?!










ウリベ氏は、来年2019年のアートの祭典であるヴェネツィア・ビエンナーレへ、
コロンビア代表としての出展が決定しています。彼の素晴らしい作品が世界中の人々の目に触れ、またまたたくさんのファンが誕生することでしょう。

作品だけでなく、氏のアートに対する考え方に大いに共感した私。インタビューでの
言葉を引用させていただきます。
「身の周りのものを使ってアートを作り始めたとき、制作に費やされた思考力を推測するようになった。これをデザインした人たちがどんな思考プロセスを踏んだかを見るようになった。どうしてこれは作られたのか?どのようにして?幾度の決定がそこにはあったか?など、それをデザインした人が費やした工程を深く考える。ひとつのものを手に取ると、そういった手順が逆再生で見えてくる。素材、手触り、形、色を通して読める。作り上げた工程に投資された知識がー」

分野を限定せず、あらゆる事がらに目を向け、心を刺激し、貪欲に吸収し、自らの知識として蓄える。それが自身の中でうまくこなれたときに、個性として発することができるようになると思います。私も作品づくりに、私の「知識」が反映できるよう、日々努力しなくちゃね!暑いからといって引きこもってる場合じゃない!?